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天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第14章 行商の街 リストン


『‥少し臭うな‥‥』

なんとなく、みょうな生臭さにジャック達は気付き、後ろを振り返ると‥


少し放れた暗闇の物陰から不気味に光る鋭利な視線が二人の姿をしっかりと捕らえていた――


― グゥ‥グルルルル‥‥





荒い息使いの唸り声と、地面の砂利を踏み締める不気味な音がゆっくり……
ゆっくり‥と威圧感を増しジャック達の恐怖感を否応なくあおる






その頃村では祠に子供達が入り込んだ、と騒動が起きていた‥


― おいっ一体誰なんだっ祠に行ったのはっ?

― ジャックとティムらしいっ!

― なんでまた、今頃になって祠なんかにっ!?

―わからんっ!しかし早く連れ戻しにいかないとっ

― ああっ!あそこは今、【ビックハングベア-】の住家になってるっ!かち会ってなきゃいいが…



祠には森の主(ヌシ)とも恐れられ立ち上がった姿は4㍍を超えるとも言われる大熊、
【ビックハングベアー】
が住み着いていることをティム達はまったく知らずにいた

騒ぎを聞き付けた村の者達が武器を手に祠へ向かったが、ここ何年と使われる事のなかった祠への道は、行く手を遮るかのように草木が生い茂り、大の男達が先へ進み行くことを容赦なく拒んだ

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