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天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第16章 白いお馬さん


そして何を思ったのか、そこにあった野薔薇の花を三輪摘み取るとルイスの髪に飾って眺めた。



…素敵…っ……まるでお姫様みたいだわっ──



ユリアは美しい物が大好きなビューティフルフェチだった。

薄くて白い瞼はとても中性的だ。ユリアはもう一輪を手にしてルイスの胸のポケットにゆっくり手を延ばした。

その瞬間、ルイスに手首を引き寄せられていた。


…っ……きゃーっすごく近いわっ…近すぎるわっ…


起き上がったルイスにいきなり膝の上に抱っこされ、ユリアは顔を真っ赤にする。

ルイスはユリアを覗き込み、くすりと妖しく微笑した。

「散々、俺をおもちゃにしてくれたね……」


ルイスは青灰色の瞳を優しく緩め、ユリアが自分の頭に飾り付けた薔薇の花を髪から外した。


「──っ……ご、ごめんなさい…」


ユリアはこの距離に堪えられず下を向く。

ルイスは俯いたユリアの顎を指先で掬い、上を向かせた。

「こういうのは俺じゃなくて……」

ひゃー!?やめてっ刺激が強すぎるわっ!これじゃっアタシまたっ──…っ


「ほら…やっぱり君の方が似合う……」


ルイスは花をユリアの耳元に飾ると、可愛い…そう囁いておでこにキスをしたのだ。


…っ…ああもうダメっ…あたし限界っ



― ツツーーー‥‥


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