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天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第19章 アルの決心
◇◇◇

数日がたち
大会前日の夜だった──


食事も風呂も済ませ、先に子供達を寝かしつけたアルは、広場の庭に夜涼みに出ていた‥‥



「‥とうとう、ここの食事も風呂もベットも今日で最後か‥‥‥

そして、ここで優しくしてくれた皆とも・・・」


アルは広場中央の噴水に腰掛け周りを見渡した‥


「二週間前、ここでザドルに絡まれたんだな‥‥ふふっ‥」


アルは思い出す‥


あの日、切り立ての髪で男の子のフリをし受付に来た時の事を‥



他に術がなかった‥



生きて行く為の最後の切り札だとも‥思った‥‥

そして‥隊長さんに諭(さと)された‥


“君は、生きて勝ち進む自信があるのか?”


はっきり言って、そんな事一つも考えてなかった‥

一か八かの賭だった‥
後の事など何も‥‥


あの人はそれを気付かせてくれたっけ‥‥



「やっぱり、ちゃんと謝ってお礼言わなきゃな」



アルは静かな月を見上げた‥最近、あの不思議な夢もみない‥‥


そう‥まばゆい光りの中から呼び掛けてくるあの夢‥

もの心ついた時からずっと見てきた‥


すごく優しく、でも威厳に満ちた声で呼び掛けてくる‥‥‥

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