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天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第3章 美食の鳩

ルイスは一瞬、不敵な笑みを浮かべ少年の体をグィっと引き寄せる。

そして吐息で囁くように耳打ちする──


 「死ぬ気で走れっ!!」


「──っ!?」


発した言葉と同時に少年の背中をルイスは強く押し出した。

うろたえながらも、勢いに押され走り出した少年の後ろ背に、ルイスは手を振り言葉を投げ掛ける。


「頑張れよォ〜間に合うように祈ってるからなぁ〜」

悠長に語り掛ける声が背中から聞こえてくる。

目を見開きながら必死の形相で少年は走った!

やみくもに走った―――

死ぬ気で走った―――――

扉をくぐり階段を駆け上がり、また駆け上がりさらに走り込み、そして駆け下り…


‥とっ…遠すぎるっ!

絶対に‥間に合わないっ!!

そう思い目の前の扉に追突する勢いで少年はノブに手をかける!


―――――バタンッ

ーゼェ
ーーハァ
ーーーゼェ
ーーーーハァ…‥ゼェ‥ハァ

「‥う‥うけ‥つ…
は‥しめ…ま、し‥…か!?」

裏口から突然、すごい勢いで飛び込んできた少年の登場で受付場にいたお役人達は驚いて資料を床にばらまいてしまった。


「…う‥受付は‥もう‥

………ダメ‥?」

少年は息を切らし再度聞き返す。

「…あ…あの…」

「……っ…」

―――ガーンっ!!!


ハァ‥やっぱり、
間に、合わなかっ…た…

返事を躊躇う役人を前にして少年はヘロヘロになって床にへたれた…

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