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天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第4章 ルバール宿舎
「老師様!おやめくださいっ!」
ロイドは頭を下げたままのクラディウスの前に立て膝をつく。
「わかりました──俺達でできる限りのことを致します!」
そういいながらロイドはルイスに視線を送り、それに応えるようにルイスも頷くと老いた肩にぽんと手を置いた。
「クラディウス…わかったから頭を上げてくれないかな。それがこの国の‥いや、この世界の希望となるなら…捜し出してみせるよ、絶対に──」
その言葉と同時に若い二人は視線を合わせる。
「うむ、クラディウス…やはりお前の人選は正しかったようだな‥二人とも頼もしい限りだ… 先のことはわからぬが何もやらぬよりはまし‥とりあえず、闘技会の方は貴殿らに任せるとしよう………この一件‥頼んだぞっ…」
「御意!」
王の言葉を二人は敬礼で受け止めた。
「では、大会までの準備があるのでこれで失礼致します…」
「うむ‥」
二人は再度、敬礼をして謁見の間に背を向けた……だが、扉を出た直後にルイスは再び顔だけを覗かせる。
「兄貴! その髭似合ってるよ」
にこりとウィンクしながら王を口説いて扉を締めたのだ