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天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第45章 マイ・フェア・レディ
ユリアはエヘッと照れ笑いした
…よかった。すごく嬉しそう…女の子だもんね
村にいたら絶対にできなかった恰好だし……
ユリアの笑みにアルも心からにっこりと返す。
「はぃ。じゃあ、アルはレッスンを始めましょうかしら」
「へ?レッスンっ…」
ジェシカはそう言うと唖然とするアルに高めのヒールの靴を履かせた
「た、高っ…何するの!?こんな高い靴履いてっ…」
よろよろしながら訴えるアルに、ジェシカはニンマリと微笑んで言う
「社交界デビューですもの。
一流のレディとして振る舞えるよう躾は必要不可決ですから」
「……っ!?」
小さなムチを手にして言ったジェシカにアルは焦る。
「どんなに外見を着飾っても仕草一つで一流か三流か見抜かれてしまいますもの。
アルは今回は私達の知人。異国の姫君に“なりきって”頂きますわ。ホホホッ」
… い、異国の姫君!?
「はぃ。じゃあ、先ずは歩き方からっ
て、んまぁ!?なんなのっ、そのへっぴり腰はっ!」
ピシャッと鞭がしなって風をきる。
「…だ、だって、こんな高いヒールは初めてで」
「だまらっしゃいっ!」
… ヒィィ…だ誰か、助けっ…っ…
一言口答えする度にジェシカの鞭が振り落とされる。アルは必死にそのシゴキに耐えるしかなかった。