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天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第5章 鉄拳の母
ザドルに言われた方を見ると、確かに“肝っ玉母ちゃん”風の女性がカウンター奥の厨房の中を切り盛りしていた
「エバってんだ ‥」
「‥えばってるの?」
確かに厨房の中の若いコック達をガンガン叱り飛ばし威張っていて偉そうだ
「違う違うっ…名前が“エバ”ってんだ
そんな事言ったら鉄拳くらっちまうぞ?‥」
「ああ、名前がね」
「俺から聞いたって言ってみな‥よくしてくれるぞっ」
「わかった‥ありがとう!」
そういうとアルはエバの元へ一目散に駆けて行った
‥早く持ってってやんないと腹空かしてるだろうなっみんな‥
アルは厨房カウンターの前で立ち止まった。
―カチャン―ガチャン
中では片付けに追われながら明日の仕込みをする忙しさで食器が激しく音を奏でている。
「ほらほらっ!しっかり手ぇ動かしとくれよっ!!
あ〜もぅ、何やってんだぃ!? 仕事増やすんじゃないよ!! そこっ鍋の火とめてっ!」
「……っ」
…こ、声かけるタイミングが掴めないっ…
「おや、なんだぃ?おちびちゃん?」
カウンターの前でオロオロしているアルに気が付き、エバの方から話かけてきた…
「あっあの‥ザドルに聞いて……料理すごく美味しかったから夜食用に分けて貰いたいなぁ…なんて」