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天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第50章 忘却の女神


ロイドはついアルに差し伸ばしかけた手をすぐに引っ込めた‥



‥アルは俺に触れられると脅える‥‥‥さっき引き止めた時もそうだった‥‥



ロイドはやりきれない思いのまま拳に力を入れた…




ただ、馬に乗る時は手を貸さないわけにはいかない‥ロイドは馬に跨るとアルの手を引いた…


小さくて華奢な白い手‥
この手を俺は握りしめ指を絡めた‥‥‥でも今はそれは赦されない‥‥


ロイドはアルを自分の前に抱きかかえ馬に乗せると足早に馬を走らせた。


今は早く家まで送りたい!

少しでもアルに触れてしまえばまた、抑えがきかなくなるのは解ってる!!


ロイドは目の前のアルからなるべく視線を外し家路を急いだ‥‥













そしてロイドの馬は勢いよくスタンレー家の門の前を通り過ぎる──













‥あれ?‥あ、‥あれ!?



お家‥‥‥が‥‥‥




突然の出来事にアルは声もでず、後ろを振り返ったまま遠ざかって行く我が家を見つめるしかなかった




そして馬は、アルの来たこともないような場所でスピードを緩めた‥‥‥


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