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天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第50章 忘却の女神


「ここは昔からよく、気分が乗らない時とか色々あった時に来てたからな‥‥




いいところだろ?‥‥‥」




ロイドの問いかけにアルも無言で頷く。






「あんまり、人には教えたくなかったんだが‥‥‥





お前とだけは一緒に来たいって思ってたから‥‥‥



別に男だから、この歳になって誕生日だとかは関係なかったんだけど‥‥」





ロイドは語り続けながら馬から降りるとアルに手を伸ばした‥‥‥
そしてアルも自然にロイドの手を取り抱きかかえられるように地面に降ろされる





そして、アルの両手を自分の両手で包み込むように優しく握りしめて言った―













「好きな人となら‥‥‥


アルと過ごしたなら‥‥







特別になるような気がして‥‥‥










アル…
ほんの少しでいいから‥
一緒にいて欲しい…」












ロイドの優しい眼差しに捕らえられアルは無意識のままに頷いていた‥‥



周りの景色に癒されアルの警戒心もほぐれたのか、
手を握ってもアルは脅えた表情をみじんも見せなかった――


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