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天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第6章 ザドルの過去


アレンはアルの肩を勢いよく掴むと物凄い早足で‥歩くッ──

‥こ、これは競歩!?


普段、使う事のない前ふくらはぎが悲鳴をあげはじめているっ!!


「ア、アレン!? ‥いっそのことっ‥走った方がいいのでは‥はぁっ」


「い、いぇっ‥施設内を走るっ‥ことはっ‥はぁっ禁じられてっ‥おるます」

‥お、おるますっ!?

アレンも疲れからか“ろれつ”が廻らないらしい


「でもっこれじゃ‥走ってるのと変わらな…はぁっ」


正直、走るよりやかましい…


長い旅をして鍛えられてきたせいか、体力的にも年令的にも運動能力に長けているアルにアレンは徐々に遅れをとってしまったっ!

距離がどんどん離れ自分を気にかけるように後ろを振り返るアルの余裕が憎い!

アレンは歯を食いしばり、あらん限りの雄叫びをあげ力を振り絞り加速したっ


「…っ…ぬおぉぉぉぉぉ──!」



‥が、しかし 体がついて行かず足がもつれ、気迫ばかりが空回りしアレンはこけた‥‥


「‥む、無念じゃ…」

(己は何者じゃ?)

ハデな音に驚き駆け寄ろうとしたアルにアレンは叫んだ

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