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天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第56章 立冠式


馬の力強い足音が近づき砂煙りを巻き上げながらルイスが現れる


「やだぁーーーーッ!!!」



馬から身を乗り出し泣き叫びながら走るアルの腰を捕らえると、ルイスはアルを抱き上げて馬に乗せた――



ルイスに抱えられたままアルはジタバタと馬の上で暴れる




「―――ばかッ!!…っ…

危ないッ‥!落ちるだろっ!?」




「イャーーーッ!!‥//

お願いッ放してッ!!!」


「暴れるなってッ…
今は無理だッ」



そぅ、その通り!

*暴れるな
──白馬は急に止まれない


交通安全キャッチフレーズではないが、あれだけのスピードを出せば馬は直ぐに止まれない‥



それでも、ルイスの胸に抱き締められながらアルはしきりに泣き喚き抵抗していた




‥チッ‥

どーすりゃいいんだよ‥



ルイスは心の中で舌打ちする‥



はっきり言ってルイス自身も戸惑っていた…


女のあんなトコを見たのはさすがのルイスも初めてだったのだから‥


別に自分は驚いただけで、何とも思ってはいないのだが‥
やっぱり女としてはあんなモノを見られればショックだろう‥‥‥

それに対しての慰めの言葉がルイスにはまったく思い浮かばなかった──


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