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第56章 立冠式

･

「‥じゃ‥ぁ‥


お前がまともに見た‥のか？

……っ…女達からアルが女だって知らされたんじゃなくて‥

お前が確認したってのか!?──っ…」



「──…っ…!?ぐあっ」

ガタﾝｯと激しい音がした。


ザドルの説明を受け、険しい表情に代わったロイドはルイスを思いっきり殴りつける──

そして椅子から転げ落ちたルイスを睨みつけた



「‥‥‥っ‥‥二度とっ…そんな真似してくれるな‥

アルは‥‥‥ｯ‥


‥アルは俺の大事なっ‥」




ロイドは最後の言葉を噛み締めて険しい表情のまま店を出ていった‥‥‥




「──‥痛っ‥」

あの馬鹿力‥
顎が外れそうだ‥っ‥


ルイスは殴られた顔を押さえて起き上がると無言で倒れた椅子を起こしていた


「まぁ、アルのことなら時間が解決するだろ？


女としちゃ、そんなモノ男に見られちゃｼｮｯｸだろうからな…

お前もそう気にするな‥」

腰掛けて、黙り込むルイスにザドルは続けて話す