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ご主人様のディルド
第16章 僕は囮にされる
「先輩どうぞ……今日は先輩が来るので一生懸命片付けました」
「それ嘘でしょ。今片付けたんでしょ」
「バレちゃいましたか」
そんなのバレるに決まってるだろう。
僕はこの変態男に呆れ返った。

「そんなのちょっと待っててくださいって言った時点で片付けてるってわかるよ」
そうだぞご主人様をバカにするのもいい加減にしろ。
この変態男。

「そうですよね。取り敢えずここに座って待っててください。今飲み物持ってきますね」
そう言った変態男は部屋から出て行ってしまった。
部屋の中でひとりになったご主人様。
手持ち無沙汰なのか部屋をキョロキョロと見回す。
ご主人様は男の部屋にあがるのは初めてじゃないだろう。
でもやっぱり初めて来た男の部屋だからやっぱり新鮮なのかもしれない。

ご主人様が変態男の部屋に興味を持つのは勝手だけど、僕がこの部屋で見つかるのはマズイのではと今更ながら変態男の立場で考えてしまう僕がいる。

そしてご主人様は案の定、僕を発見してしまった!!
僕と目が合うご主人様。
顔がだんだんと引きつっていく。

僕の方へと歩み寄ったご主人様。
僕を手にとった。
久しぶりにご主人様の柔らかい手に触れる。
僕はご主人様の手に握られて幸福だったけど当の本人であるご主人様は幸福とは程遠い顔をしていた。
厳しい表情で僕を見つめるご主人様。
せっかくの美人も台無しだ。

「なんでこれがここに……」
やっとの思いで言葉を発するご主人様。

「先輩……ビールとか飲みます?」
ご主人様の後ろから変態男がご主人様に呑気な声をかける。
そんなこと聞いてる場合じゃないぞ!!
変態男。

ご主人様は変態男の方へ振り返った。
僕を握り締めて。
「片瀬くん……何で……何で……これがここにあるの?」
目の前の変態男はニヤリと笑った。

「先輩……それが先輩のモノだって認めるんですか?」
関係の逆転が始まった。 
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