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扉の向こう
第2章 次の朝
いつもの音楽の後に流れるアナウンス、ごった返すプラットホーム、少し冷たい朝の香り。香菜はそんな中、いつもより少し気分が上がってた。旦那の僚太が一緒だからだ。僚太は普段、趣味と実益を兼ねて自転車で通勤しているのだが、痴漢の件を相談したらしばらくの間ボディーガードとして、電車で通勤する事になったのだ。電車の到着を知らせるアナウンスが流れる。香菜は僚太に「しっかり守ってよ。」と 念をおした。「大丈夫だよ。後ろでピッタリくっついているから。何かあったら、LINEでもいいから教えて、助けるから。まあ、大丈夫っしょ。」 僚太は笑顔で答える。「人の気も知らないで。」香菜は少しムッとしながら言い返した。そんな事を言っている間に電車が到着した。ドアが開く、整然とならんだ、おびただしい数の人の流れがと車内に入って行く。どうにか、香菜と僚太は作戦通り、ドアの右側に場所を確保した。シートの端と壁にできる角の頂点に香菜が外側を向く形で立ち、その後を僚太がピッタリくっつくように立っている。僚太は香菜に「どーだ!これで。」と自信ありげに、最低限の声で話かけた。「ありがとう、大丈夫だと思う。少し恥ずかしいけど。」と答えた。それも当然である、満員の電車内で仕方ないとはいえ、公衆の面前で愛する人に背中から抱きしめられているのである。しかも僚太の右手は香菜の腰骨に置かれている。香菜は恥ずかしいけど安心するという思いとは別に、「僚太ってこんなにがっちりしてたっけ?」とも思っていた。普段の生活では感じていなかった新鮮さを背中に感じていた。背中越しに僚太の体温が伝わってくる。そう考えていると、腰に伸びた僚太の手も、「がっちりした男の手」として、とても生々しく感じてくる。香菜の身体は僚太の動きや温もりに敏感になり始めていた。
一方の僚太も、最初こそ「俺が守る。」と息巻いていたが、少し時間がたち、冷静になってみると、いつものしなやかな香菜の身体が、電車の中で密着していて、しかも香菜のお尻と自分の股間がピッタリ密着している事に気付き、気持ちがざわめき立っていた。頭の中で、昔観た痴漢のAVを思い出す。手がさりげなく、じわりじわり、目的地を目指していったり来たり、下の目的地までもうすぐなのに、あえて上の目的地を目指したりと、痴漢の手はナメクジのような陰湿さと、スピードで目の前の獲物を溶かしていく。
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