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扉の向こう
第11章 ぽっかりと空いた穴

「パパーッ」
起きて横にパパがいる事に喜ぶ望海が、寝たふりの僚太に飛び込んで行く。
「ううっ」
僚太はうめき声をあげるがまだ起きようはしない。
「パーパッ」
望海はまた立ち上がると、また僚太に飛び込んで行った。
「のーぞーみー」
僚太が起きて嬉しそうにしている望海を抱き締める。ついさっきまで、みんな寝ていて静かだった寝室が、一気に楽しい休日の朝の空気に一変した。
「僚ちゃん、望海おはよう。」
香菜も、僚太と望海のじゃれる声で起きた。
「おはよう」
「はよー」
僚太は望海を抱きしめながら、背中越しに望海は僚太の肩から顔を出して答えた。
僚太は望海をおろして立ち上がると、香菜を見る事なく一瞬、間を置いて
「・・・・香菜、ちょっとトイレに言ってくるね。」
と言って部屋を出ていった。
(あっ、名前で呼んでくれた。)
香菜は久しぶりに僚太に名前で呼ばれ、素直に嬉しかった。
(あの手紙読んでくれたんだ。お酒呑みながら書いたから、後半酔っぱらってきて雑になった気がするけど・・・。しっかり私を名前で呼んでくれたし、僚ちゃんに少しでも気持ちが伝わったのなら、勇気を出して書いて良かった。一歩進めた気がする。そういえば、昨日上着を脱いで寝たんだ。)
香菜は布団の横に脱ぎ散らかしてあったパジャマの上着を見つけると、ぱっと着て望海を抱きしめた。
「ママー、こっち」
望海が香菜の指を握り、僚太が向かった方を指差す。そろそろ朝ごはんの時間だ。いつもより気分が少し軽い朝だった。



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