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扉の向こう
第11章 ぽっかりと空いた穴
(もうこんな時間か)
カーテンから漏れてくる日差しが朝を告げている。
僚太は夜中に起きてから眠れずにいた。理由は、夜中、リビングのテーブルに、飲み散らかしたままのビールの空き缶とウイスキー、空のコップと共に置いてあった、大きく「僚太のばかやろー」と書かれた手紙だった。
手紙には
望海が生まれて、母親として一生懸命だった事。
初めての育児で、周りに気がまわらず、僚太を見てなかった時期があった事、とそのお詫び。
二人だけの会話なのに、僚太が香菜を「ママ」と呼ぶ事になった不満。
僚太が香菜をしっかりと見てくれているか不安な事。
セックスはおろか、肌のふれあいすら無いことへのの不満。
など、今の素直な香菜の気持ちが書かれていた。
僚太はふざけるなという気持ちもあったが、ショックの方が大きかった。眠気も飛んでしまった。セックスレスではあるが、ある程度の幸せな家庭を築けている自信があったのだ。それが、家庭の基盤にひびが入り、ぐらつくのを感じた。自分と香菜にできた少しのズレが怖かった。
しかし当然自分にも言い分がある。望海がまだ小さい頃、香菜に夜何回も求めたが、育児で疲れたと、怒りながら断られ続けられた事があった。その時期は、自分の性欲のコントロールが大変だったし、男として自信をなくした事でもあった。今は性欲に関しては自分で処理する事で十分満足しており、男の自信は望海と仕事で取り戻している。自分と香菜と望海は今が最高に幸せだと信じて疑っていなかったのである。
(とりあえず、ベッドに戻って考えよう)
そう思い、ベッドで香菜との事、家庭の事などを、色々考えいるうちにこの時間になってしまったのである。
望海がもぞもぞし始めた。そろそろ起きそうだ。背伸びをしている。僚太は望海の反応を見る為、寝たふりをする事にした。
カーテンから漏れてくる日差しが朝を告げている。
僚太は夜中に起きてから眠れずにいた。理由は、夜中、リビングのテーブルに、飲み散らかしたままのビールの空き缶とウイスキー、空のコップと共に置いてあった、大きく「僚太のばかやろー」と書かれた手紙だった。
手紙には
望海が生まれて、母親として一生懸命だった事。
初めての育児で、周りに気がまわらず、僚太を見てなかった時期があった事、とそのお詫び。
二人だけの会話なのに、僚太が香菜を「ママ」と呼ぶ事になった不満。
僚太が香菜をしっかりと見てくれているか不安な事。
セックスはおろか、肌のふれあいすら無いことへのの不満。
など、今の素直な香菜の気持ちが書かれていた。
僚太はふざけるなという気持ちもあったが、ショックの方が大きかった。眠気も飛んでしまった。セックスレスではあるが、ある程度の幸せな家庭を築けている自信があったのだ。それが、家庭の基盤にひびが入り、ぐらつくのを感じた。自分と香菜にできた少しのズレが怖かった。
しかし当然自分にも言い分がある。望海がまだ小さい頃、香菜に夜何回も求めたが、育児で疲れたと、怒りながら断られ続けられた事があった。その時期は、自分の性欲のコントロールが大変だったし、男として自信をなくした事でもあった。今は性欲に関しては自分で処理する事で十分満足しており、男の自信は望海と仕事で取り戻している。自分と香菜と望海は今が最高に幸せだと信じて疑っていなかったのである。
(とりあえず、ベッドに戻って考えよう)
そう思い、ベッドで香菜との事、家庭の事などを、色々考えいるうちにこの時間になってしまったのである。
望海がもぞもぞし始めた。そろそろ起きそうだ。背伸びをしている。僚太は望海の反応を見る為、寝たふりをする事にした。