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扉の向こう
第14章 僚太のいたずら心
「ただいまー。」

「あーっ、パパだー。」

望海が玄関へ走り出す。
遼太は手にぶら下げていた荷物を一旦床に置き、笑顔でトコトコ走ってきた望海を抱き上げ、荷物を再び手に取り部屋に入る。

「お帰りー。床屋に行くって出て行ったけど遅かったね。どこいってたの。ねえ、手にしている荷物は何なの?」

香菜は晩御飯の準備をしながら不思議そうに見ている。

「ああ、ちょっとホームセンターに何気に寄ってみたら安売りしていたから買ってみたんだ。最近、俺も疲れが溜まりやすくなってきたし、香菜も肩が凝っただのどっかが痛いだのよく香菜が言ってるから、ピンときて。ジャジャジャジャーンみてマッサージ機。」

「すごーい、ありがとう。悪いけど、手が離せないからこっち持ってきて見せて。」

遼太は片手で望海を抱き、腕にぶら下がっている袋から箱を取り出した。
箱には実物写真と共に、ハンディーマッサージと書いてある。

「ありがとう、早速寝る前に使うね。ところでお小遣いあったの?」

「禁煙して浮いたお金だよ。」

「せっかくのお金、他に欲しいのなかったの?」

「ほんと安かったんだよ。香菜も喜ぶから丁度いいと思ったんだ。」

「パパ、のんも見る。のんも見る。」

「じゃあ、のんに箱から出してもらおうかな。」

「うん。」

遼太と望海はリビングに移動して箱を開封する。

「のんちゃん、ほらママに見せてきて。」

「わかったー。」

望海が両手でマッサージ機を持って遼太を従えて香菜のもとへ走って来た。
写真通り、丸い振動部がありその下に20センチ位のスティックが付いているオーソドックスなタイプの物だった。


「のんちゃん、ありがとうね。遼ちゃんすごいね。効きそうだね。」

「充電式で3段階調節できるんだよ。デモ機があって試したけど結構振動は強かったよ。寝る前に使えるように充電しておくね。」

「ありがとう、お願い。それと遼ちゃん、望海を風呂に入れてくれない? のんちゃん、パパとお風呂入っておいで。」

「わかった、いいよ。のんちゃんパパと一緒にお風呂入ろうね、いくよー。」

「じゃあ、またソフトクリーム作ってくれる?」

「大っきいの作ってあげる。」

「いくー。ママおふろ入るー。」

笑顏の二人は風呂場に消えて行った。


















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