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第2章 一週間目

「ね、昨日のドラマ見た？」
「見た！やばくない？」
「翔でしょ？わかるー！」

会社の食堂で聞こえてくる声に、みずきはびくりと反応した。
騒がしい食堂なのに、「しょう」という名前に反応してしまう。
盗み聞きのような気もするが、ついそのまま話に耳を傾ける。女性二人の会話は、昨晩のドラマの話だった。
翔だけでなく、翔が所属するグループ「SUN」のメンバーも出演する話題作だ。
各メンバー全員が主役のような構成で、昨日は翔がメインの回だったのだ。

「クールでとっつきにくいと思ってたけどさ、あんな風に笑ってくれたらやばいよね」
「彼女羨ましすぎる」
「本当それ」
「目の前に翔がいて落ちない女いなくない？」

盛り上がる会話に、みずきは胸の中で何度も頷いてしまう。
落ちない女なんていない。
実際に対面してしまったみずきにとって、その言葉はまさにその通りだと思わずにはいられなかった。