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ひと月半の恋人
第3章 友達

「今日で、終わりだな」
「ん」
「成田に泊まってんだっけ?」
「そう……だけど、もうやめて」
ゆうちゃんが、帰国した。
到着時間の関係で、成田泊。まだここには帰って来ない。
私は今日、家を慎重に片付けた。何のあとも残っていないように。
今日は、たかちゃんちに最後のお泊まり。
「聞きたくない。ゆうちゃんのこと、今日までは、考えたくないの」
「……悪い彼女だな」
「たかちゃんだって、悪い友達じゃないっ」
「……すげえ濡れてる」
「たかちゃんだって……」
あたしもぐちゃぐちゃだし、たかちゃんだって脱ぐ前から染みが出来るくらい、滴らせてる。
二人とも、部屋に入った時からおかしくなってた。
ううん。エレベーターの中からかも。
今までは監視カメラを気にして、手を繋ぐくらいしかしなかったけど。最後だって思ったせいか、乗った時から、お互いの体をこっそり触り合っていた。
部屋にたどり着いて玄関に入って、我慢できずに愛撫し合って、私は軽くイッちゃったくらい。
「一回入れるぞ」
たかちゃんがゴムを着けながら言う。
「ん、来て……あぁ……!」
待ちかねていた様に、きゅんっと締まる。
気持ちいい。何度も抱かれたのに、足りないみたい。どんどん良くなる。
あたし、ゆうちゃんに、戻れるのかな……
……ううん。戻らなくっちゃ。
だから、今日までは、目一杯たかちゃんと繋がりたい。
「まだイクなよ」
「んっ……だってぇ……」
さっきから入れて欲しくてうずうずしてたから、よくなっちゃうのが、抑えられない。
その時。
近くに放ってあったスマホが、震えた。

