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ちょうちょ
第3章 ストーリー2

「すみません。レポートを忘れてしまって。直ぐに取りに帰るので提出させて頂けませんか」

授業終わり、私は教授にそうお願いしにいった。
しかし、その返事は私の望むようなものではなかった。

「ダメです。締切は今日の授業までと伝えてあります。特別扱いはできません」

歳上の敬語って、圧迫感があって怖い。
そして正論もド正論だった。
でも1夜漬けで仕上げる人も多い中、一週間前からコツコツ書き上げたレポートが評価されないのは辛いので、ダメ押しでお願いする。

「本来の評点から減点してもいいので、採点していただけませんか」

思わず身を乗り出してしまった瞬間。教授の視線が動いた。間違いなく私の胸元に動いた。そして直ぐに戻る。

やがてゆっくり身を引いたときに胸が軽くゆれた。
教授の視線もゆれた。

…え?
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