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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第3章  たもつ 


    ◆    ◆


 叫んだ自分の声に驚いて、僕ははっと目を覚ます。

「……」

 寝ていたのは、もちろん自分の部屋のベッドで、さっきまでの光景も当然ながら夢であることを認識。すると、その余韻を味わうゆとりもなく――。

「ヤ……ヤバッ!」

 身体に覚えた異変にベッドから飛び起きると、部屋を出てトイレに駆け込む。夢の中で受けた刺激によって、ふくらんだ股間はまさに爆発寸前だった。

「はあ……最低」

 数分後。トイレを出て独り言をこぼしつつ、部屋に戻る。カーテンを開くと、既に太陽が随分と傾いていた。

 茜色の雲を遠くの空に眺めながら「ホントに、どうしようかな」と呟いた言葉は、岬ちゃんとのことでもあり、自分自身への不安の表れでもあった。

 僕は岬ちゃんに、逃げ込んでるだけなのかもしれない。

 今夜のバイトに備え、モヤモヤした気分をリフレッシュする必要を感じ、部屋を出るとバスルームに向かった。

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