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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第3章 たもつ
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◆ ◆
部屋の外で立ち尽くすこと、かれこれ三十分近く。
「……支度をしますから、待っていてください」
外出の誘いに一応は応じてくれた岬ちゃんだけど、僕を外で待たせたまま、まだ部屋から出てくる気配はなかった。
「やっぱり、気が進まないのかな……」
彼女がどうして部屋に引きこもっているのか、その理由を僕はしらない。でもきっと、そこには只ならぬ事情があるはずだ。
だとしたら無理に外に連れ出そうとする行為が、果たして今の岬ちゃんのためになるのか、疑問のように思えてきた。
深夜のコンビニに訪れる例の姿は、やはり異様である。だからこそ、心に抱えた闇を軽く考えてはいけないのではないか。
「み、岬ちゃん! もしも、無理してるなら――」
部屋の中の彼女に言いかけた時、ドアが開いた。
「お、お待たせしました……」
部屋から出てきた岬ちゃんを見て、僕は驚く。なぜなら彼女はいつもの〝ドテモンスタイル〟ではなかったから。
「……」
僕は思わず、その姿に見惚れてしまった。
白いダッフルコートが、華奢な体のラインに自然にフィットする。その丈より少しだけ長い黒のミニスカートから、すらりと伸びる脚を薄いグレーのタイツが覆う。
足元をまとめ上げるような、ニットブーツもとてもかわいらしい印象だった。
「どこか、変ですか?」
彼女はお伺いを立てるように、上目づかいの視線を投げかけてくる。
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