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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第3章 たもつ
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狭いキッチンのスペースの奥には、小さめの冷蔵庫がある。その手前にはテーブルが置かれているけど、どうも食事をするための場所ではなさそう。
その上にはレトルト食品や缶詰など、主に日持ちする食料が積み置かれていた。
「ごめんね」
そう言いながら、冷蔵庫を開ける。勝手に中を見るのは当然気が引けるけど、さっきから喉が渇いて仕方がない。
「……」
冷蔵庫の中には、ミネラルウォーターの角ばったペットボトルが扉の内側に二本と、本体の方にも六本ほど寝かせて積んである。そういえば、岬ちゃんが買っていくのは常に同じ2リットルのミネラルウォーターだったと思い出す。
ひとつだけ目についたプラスティックの容器には、食べかけのサラダが半分ほど残されている。数日前、コンビニでそれをレジに通したのは僕だ。
それ以外に入っているものといったら、ソースやマヨネーズ等の調味料が最低限といった感じ。
それを見た時に、岬ちゃんはあのコンビニ以外ではなにも買っていないのだとわかり、少し胸が苦しくなった。
冷蔵庫の上に紙コップがあったので、それに水を注いで喉を潤した。ペットボトルと紙コップをもうひとつ手にして、岬ちゃんの元に戻る。
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