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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第4章 岬?
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◇ ◇
それから二週間以上、わたしは部屋を一歩も出ることはなかった。部屋に備蓄してあった食料は数日で尽き、そうなれば当然、徐々に衰弱して終わりに向かうのだと思っていた。
そのはず、だったのに。
【買い物してきたよ】
【ドアにかけておくから食べて】
まるで食料がなくなったころを見計らったように、そんなメッセージが送られてきた。
そして部屋の外を確かめると、ドアノブには大きなコンビニ袋がかけられていて、その中にはカップラーメンやレトルト食品など、わたしがいつも買い求めるようなものがどっさりと入っていた。
〖どういうつもりですか?〗
〖施しをうけるつもりはありません〗
最初はそのようなつれないメッセージを体現すべく、部屋の外の食料に手をつけないと覚悟を決めたつもりだったけど……。
結局は三日目に空腹に耐えかね、それらを貪るように食してしまった。
〖二度と余計なことをしないで!〗
〖次は、絶対に食べませんから〗
【次ってことは?】
【食べくれたのならホッとした】
「……」
わたしは、メッセージの返事を苦々しく見つめる。
エネルギーを得ると、意志薄弱な己を叱咤するだけに留まらず、均くんへの憎悪にも似た感情を燃やすことになった。
言ってしまえば、八つ当たりにすぎないのだけども……。
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