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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第4章   岬? 



【話したくないことは無理に話さなくてもいいんだ】

【でも、できれば会いたいな】

【岬ちゃんのために】
【僕は今、それを一番に考えたいと思う】


 わたしを気づかうメッセージに、ささくれだった気持ちが徐々に和らいでいった。結果、根負けしたのは、こちらだということを認めるしかなかった。


〖食べ物はもう買ってこなくていいです〗
〖また自分でなんとかしますので〗

【じゃあ?】

〖はい。またコンビニに行こうと思います〗


 久々に素直な気持ちでメッセージを打った。そして、わたしが均くんのコンビニに向かったのはその夜のことだった。

 深夜二時に身支度を整える。もちろんいつもの〝ドテモンルック〟だ。しかし考えた後に、クローゼット開けるとコートを取り出しどてらの代わりに身に着け、帽子と眼鏡とマスクを外した。

 どうして、そうしようと思ったのか自分でもよくわからない。けれど、わたしの過去の一部を垣間見ても尚、気にかけてくれる均くんに、なにか見える形で応えたかったのかもしれない。

 期せずして鏡に映していた素顔は、自然と微笑んでいた。

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