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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第1章 山本均
〖岬、でいいでしょうか?〗
「……?」
その不思議なメッセージに、思わず首を傾げた。
彼女を追いかけてコンビニを飛び出したのは、三日前のこと。あの時、素顔の彼女から笑顔が好きという謎の告白を受けた後、僕は勇気を出して連絡先の交換を申し出ていた。そして今日まで、数回程度のメッセージのやり取りをしていたわけだけど。
バイトに出かける前、僕が最後に送ったのは【名前まだいってないよね】【僕は山本均です】というものだった。それに対する返事ならば、彼女の方も名前を名乗ったということになるのだけど。
抱いた疑問のままに、再びメッセージを送信した。
【いいとか、そういう問題なのかな?】
【岬さんって、名字のほう?】
すると、今度はすばやく返事がくる。
〖下の名前のイメージでお願いします〗
イメージ……?
それを受けた僕は、また頭の上に疑問を浮かべた。だけど、あまりツッコむのもどうかと思うと。
「ま、いいか」
とりあえず、ドテモンの中(?)のかわいい素顔の彼女をしることができた。今はそれだけでも、この胸が躍る。
浮かれた気分のまま、またメッセージを送った。
【よろしくね。岬さん】
〖こちらこそ。均さん〗
【これからって普通に会えたりする?】
〖そうですね。とりあえず、またコンビニに行きます〗