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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第5章 均
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「いえ、失礼しました」
なんとなくその笑みに嫌なものを感じて、僕は会計を急ごうとするけど。
「ああ、あとコーヒーお願い。会計はこれでやっといてよ」
その男性客はそう言って、電子決済用のカードを差し出す。
「あの、ドリップコーヒーでしたらセルフで――」
「どうせ、暇でしょうよ。それくらい、やりなさいって」
その男性客は面倒そうな顔を向けて言うと、そのまま美里さんの方へ歩いていった。
困惑した僕は男性客を止めに行くか、バックルームに先輩(たぶん寝てる)を呼びに行くかあたふたした後、とりあえず会計を済ませるのが先だとカップを手にして、ドリップマシーンの前に急いだ。
そうしてコーヒーを待つ間にも、雑誌コーナーの二人を気にする。
「どーも。こんばんはぁ」
「?」
「急に、ごめんね。いやあ、別に怪しい者ではないんだけど。キミは学生さんかな?」
「なんですか?」
眠たそうな瞳を向け、怪訝そうに尋ねた美里さん。聞かれた男性客は、長髪の前髪をかき上げて言う。
「モデルのお仕事とか、興味ない?」
「は……?」
「いやあ、こんな郊外のコンビニでキミみたいな美女に出会えるなんて、実にラッキーだな。どう? もし興味があるようなら、この後どこかで――」
男性客はなれなれしく、肩に手を回そうとした。
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