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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第1章 山本均
なによりも数日前の騒動をきっかけとして、彼女と少しだけ打ち解けられた事実が単純に嬉しい。暗がりで街頭に照らされた彼女の素顔を思い浮かべるだけで、僕の胸は熱くなった。例のどてらファッションからは想像もつかないほど、可憐な美少女だ。
年齢もまだ聞いてないけど、高校生みたいにあどけなく感じた。一人暮らしだから、もっと上なのだろうか。
まあ、焦らなくてもこれから――と、彼女のことを考えて軽くトリップした時に、先輩からツッコまれた。
「お前、キモイって。一人でニヤニヤすんなよ」
「べ、別に……とにかく、スマホを返してください!」
「ほらよ」
意外とあっさり返されたスマホを受け取り、ほっと胸を撫で下ろすのだけど。
「ま、がんばってくれ」
急に優しい言葉をかけてきた先輩に、激しい違和感を覚えた。この人って、こんな人じゃないはず。そして、悪い予感は最悪の形で当たった。
「ああっ!」
僕はスマホの画面を見て、思わず声を上げた。
【エッチなことはいつさせてくれるの?】