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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第1章 山本均
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覚えのないそのメッセージが、送信済みになっている。言うまでもなく、先輩の仕業だ。
「なっ……なにしてんすか!」
先輩に掴みかかろうとするけど。
「おいおい、俺に文句言ってる暇があるのか?」
そ、そうだ。とにかく、すぐにメッセージを――。
慌てて、メッセージの取り消し操作をする。だけど、こんな時に限って間が悪いのが、僕の人生ということなのか……。
「いつまで騒いでるの? さっさとミーティング始めるからね」
バックルームのドアが開き入ってきたのは、眼鏡に小太りの男性。その人こそ、当コンビニの店長だ。
「さあ、山本くんも。こっちで並んで」
「え、ちょっと……」
店長に呼ばれた、その時だった。さっき先輩が送信した、あの迷惑極まりないメッセージの下には。
【既読】
と、無情にもマークが灯っていた。
「……」
呆然としてそれを眺める僕に、容赦のない店長の言葉が飛ぶ。
「ほら、早くスマホをしまって! 最近、たるんでるよ」
「は、はい……」
ウキウキの気分から一転、思わず頭を抱えた僕は、この世の全てを呪いたい気分になった。
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