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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第6章  美里晶 


 それを目の当たりにした胸の奥が、覚えのない甘酸っぱく切なげな音を鳴らす。それまでの恋愛では感じたことのない感覚に、私は密かに高揚するのである。

「ふふふふ」

 突如、笑い出した私の顔をぽかんと眺めた後、均は焦ったように口を開いた。

「あれ……なんか、変なこと言いました?」

 だから止みそうもない多幸感をひとまず押さえつけて、私は彼に微笑みかける。今度は飾らない、自然なそれで。

「ううん。均でよかったなって、思っていたんだ」

 はじめて食事に誘った、その夜。急ぎすぎたと、感じないわけもなかった。でも、この瞬間。それが、私の本心だ。

 そう思えることに、感謝しよう。

「あの……聞いてもいいですか」

「どうぞ」

「また、叱られるかもしれないですけど……どうして、僕だったんですか?」

「……」

 彼の質問に、一切の嘘を交えずに答えるのなら、それは「勘」であると言うべきであろう。でも今、この気持ちを得た時に、そう答えるのを躊躇する。

 ちょっと前の私は、愛されることに疲れ果てていて。そんな時に、ふと訪れたコンビニで彼を見つけた。

 臆病で繊細で、素直で実直。その心には常に、わだかまりを住まわせている。私が彼を前にして抱いた第一印象だ。

 そんな彼だから、私はすぐに身体を開くことに躊躇うことはなかった。

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