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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第6章  美里晶 


「そうだなぁ、やっぱり――タイミング、かな」

 言いかけた「運命」という言葉を、咄嗟に言い換えている。

「タイミング、ですか?」

「そう。私が挫けそうな時に、均が現れてくれた」

「え? でも……」

 彼の言いたいことは、わかっている。彼にしてみたら、当然現れたのは私の方なのだ。だけど、それはどっちでもいい。

「なによ! 私とこうなったこと、やっぱり後悔してるわけ?」

「い、いいえ……そういうわけじゃなくって」

「ああ、慌ててるー。怪しいなぁ」

「違います……僕からしたら、美里さんみたいな人となんて、それだけで光栄というか……その、はじめてだったし」

「ホント?」

「はい」

「じゃあ、証拠をみせなさい」

「証拠って……あ!」

 私は彼の股間に手を伸ばし、今はまだ鎮まっているものを掴み取った。

「もう一回しよ」

「み、美里さん……」

 緩やかな速度で彼自身をしごきながら、耳元でささやきかけた。

「次は、私にまかせてね」

 徐々に逞しさを戻す彼のコックを擦る。完全に大きくなったころを見越して、私ははしたなく彼の上にまたがってゆく。

「いいよね? 今度は私が上で……んっ! もう、入れちゃうから」

「う、うん……」

「それとね……私も、はじめてだったよ」

「え?」

「私にとって、均が、はじめての男(ひと)――」

 それを告げながら腰を落として、彼の直立した熱望を、私のどろどろの穴に迎えた。

 激しい興奮と新鮮な快感に包まれながら、私が思い出すのはまだ少女だったころの記憶。

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