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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第6章 美里晶
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□ □
希の言った言葉は、流石に冗談である。そうとわかりながらも怒りを抑えられなかった私は「もう顔を見せないで!」と吐き捨てると、困り顔の均を連れて店を後にした。
結局いろいろと考えてしまったが、単に希の気まぐれだったのではないか。昔から人を喰ったようなところはあったから、つき合い始めたはかりの私と均を、からかい半分という感覚だったのかもしれない。
それでも私が男と一緒にいるのが、気に入らなかったのは間違いないこと。昔も私のことを自分の所有物のように扱っていたから、その名残が消せないのだろう。
どちらにしても、迷惑には違いなかった。
「美里さん」
「ううん、なんでもない。いいから、続けて」
「それが、ちょっと……」
「均?」
マンションに戻りベッドで身体を絡め合う最中、均は少しバツが悪そうにして私の上から身体を離した。
「すいません……」
私が希のことを考えて上の空だったせいか、それとも均自身が希のことを気にしたせい? たぶん、両方だろう。
昨日まであれだけ楽しみにしていた時間が、今は少ししらけた雰囲気に包まれてしまった。もちろん、均は悪くない。
「ごめんね。あんな風に言われたら、気になっちゃうよね」
「それは、美里さんのせいじゃありませんから。僕が勝手に考えてしまっただけで……」
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