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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第6章  美里晶 


 半分以上、均のことを許しながらも、すねたついでに感じていた不満を口にした。

「だいたいさぁ。敬語は急には治らないにしても、相変わらず〝美里さん〟って、すっごい他人行儀。前に一回、名前で呼んだでしょ」

「あの時は、とにかくエッチに夢中で……」

「今だって、そうじゃん。それとも私とじゃ、もう夢中にはなれない?」

「そんなわけないですって。だけど……こうやって改まると、どう呼んでいいものかと」

「あ・き・ら! 私の名前!」

「でも、呼び捨てはやっぱり気が引けるし。とりあえず〝晶さん〟で?」

「それだと、男みたいだよぉ!」

 こんな些細なわがままを言う私に、困りながらも真面目に向き合ってくれる均。

「とりあえず、自然と呼べるように努力してみます」

「じゃあ、どんどん口にしてみなさいよ」

「あ……晶」

 均が顔を真っ赤にして、ようやくそう言ったのが可愛くて、私は思わず思い切り抱きしめキスをした。

 しっとりと溶け合うようなキス。二人の頭の中の邪魔な考えまでが溶け合うように、何度も唇を重ね直し、しつこいくらいに舌と舌を結んだ。

「ね、焦らなくていいよ。もう一度、ゆっくり――」

「んっ!」

「うぅん、そう……すごく、いいよ。そのまま……奥まで」

「ああっ! 晶、の中……締めつけて、きてる」

「だって、均のが欲しくてたまらない――んんっ!」

「あきら――晶!」

「均――もっと、きてぇ!」

 私は均を迎えて、激しく高鳴る。

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