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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第6章 美里晶
そうして、激しく燃え上がった後。
「……」
均は黙って、天井を見つめる。
その胸板に手を置き、静かに訊ねた。
「なに、考えてた?」
「なんだろ? これから、どうしようかなって、そんな感じです」
「これから?」
「ああ、いえ……そんな深い意味はないんだけど、いつまでもコンビニのバイトってわけにはいかないだろうし」
「なにか、やりたいことはあるの?」
そう言って横顔を見つめるけど、その視線は天井に向けられたまま。
「なにかをやりたい、というよりは、変わりたいのかな」
「……」
天井よりも遥か遠くを見ているような眼差しに、私は不意に不安を覚える。
「美里さ――晶は、どう思うの?」
「え?」
「僕はこのまま、変わらなくてもいい?」
ようやく向けられた視線に、真っ直ぐに応えながらも。
「今の均が、大好きだよ」
告げてすがりながらも、私の心に戸惑いが広がっていた。