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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第1章 山本均
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まるで、そんな気分に追い打ちをかけるように。
「そちらの彼は?」
綺麗な顔立ちの国大生の美里さんが、僕の方にその眼差しを向けた。
「ああ、コイツっすか。この店のバイトの後輩です。ほら、挨拶しろよ」
突然、そんな風に促されて、僕は美里さんの前に立つ。そうして正面で見ると、はっきりとした目鼻立ちが一層際立つようだ。真っ赤なグロスが魅惑的である。
「ど、どうも……」
「ふふ、どうもね。あまり見かけないけど、ウチの大学?」
「い、いいえ……ぼ、僕は……」
憐れなくらいに返事に詰まっていると、代わりに先輩が言った。
「ハハハ、美里さんナチュラルにキツイっすねぇ。コイツは去年の受験で、ウチの大学も含め見事全敗。今は単なるバイトで、昼は特になにもしてないという人生の落伍者ですから」
「あ、そうなの……」
美里さんの同情の混じったような目が、なんだかとても痛々しい。相手が美人なだけに、尚のこと居た堪れない気持ちになった。
「他の仕事もあるんで、僕はこれで――」
そう言って、とりあえずバックルームに逃げ込もうとした時。
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