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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第8章 あやか
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「まあ、モデルといっても、想像とは違うかもしれないけどね。特にウチは弱小だからなあ」
そんな風に予防線を張ってから、加賀見さんは所属モデルのプロフィールだったり、掲載された雑誌だったり、一番の売れっ子の過去のスケジュール表などを示しながら、熱心に語っていた。
中には衛星放送であったけど、テレビ番組の収録もあった。
「……?」
聞いている内に気になったのは、ソファーの真ん中に座るスカウトを受けた子にではなく、わたしの方を頻繁に見るようになったからだ。
「まあ、最初は新聞やフリーペーパーの広告とか、そんな地味なものをこなしていくことになるね。その分そんなには忙しくはないから、学校に行きながらでも十分に続けられると思うよ。もちろん、やる気があれば、こっちも全力で売り込むつもりだ」
途中からは、完全にわたしに向かって話していた。
その態度があまりにあからさまだったので、他の二人が快く思わなかったのも当然なのだろう。特にスカウトされた子の方は、こちらが不安になるほど憮然として、ついに耐え切れなくなったように言った。
「私、もう帰る」
「そ、そうだね……」
もう一人の子が顔色を窺うように立ち上がると、三人で帰る流れになった。
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