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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第8章 あやか
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「どうしても嫌なら、仕方がない。でも、一度よく考えてくれ。もう一度繰り返すが、これは大きなチャンスなんだ」
「少し考えさせてください……」
そうして持ち帰ったことを、もう両親に相談することはなかった。そして決断の決め手となったのは、学校でのこんな一場面だった。
ある日、教室の自分の席に向かうと、周囲からクスクスとした笑い声がする。誰からというわけでもなく、そこかしこから聴こえた。
「!」
そして、自分の机の上に置かれていたものを手に取ると、堪え切れないとばかりに教室中がどっと沸いた。
置かれていたのは、わたしの写真が使われている衣料品店の新聞広告。『激安! 50パーセントオフ』の文字を赤のマジックでぐるりと丸く囲んであり、それに付随するように『安いモデルでーす!』と、漫画の吹き出しのような落書きが加えられていた。
あ、そう……よーく、わかった。
それを黙って見つめながら、わたしの内側で青白い炎が燃えていた。
それから数週間後のこと――。
過度に性的でないもの、露出がありすぎないもの、というような条件で、わたしはグラビアの撮影に臨むことになった。
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