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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第8章 あやか
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それに対し加賀見さんは落ち着き払うと、両親にこんな提案をした。
「では、あやかさんとの契約を新しく結び直しましょう」
加賀見さんは両親だけを社長室に迎えると、それから随分と長い間話していた。そして話を終えて出てきた両親の態度は、まるで嘘のように一変していた。
わたしに対しても「加賀見社長の元で、これからもがんばるんだぞ」と、思わず呆れてしまうくらいの変わりようだった。その理由は新たな契約内容にある。
もちろん、わたしも契約書には目を通したけど、難しくてまるでわからなかった。どこが変わったのか、加賀見さんに訊ねてみると。
「まず、あやかの給与を歩合制にする。今の仕事量なら、収入はかなりアップするだろうな。それに加えて、新たな契約を結ぶにあたり契約金を支払うといったのさ。あとは付帯事項が細々とあるが――」
「そんなの、いいんですか?」
加賀見さんは日ごろから口癖のように「金がない」と嘆いているくらいだ。この事務所もおんぼろであるし、人手を節約するために社長の加賀見さん自ら複数のモデルをマネージャーとして受け持っていた。
「ま、ご両親は随分とお金に困っているようだからね。その代わり、あやかにはどんどん稼いでもらうからな」
この時を境にして、わたしの中で加賀見さんへの信頼が生まれていったのかもしれない。
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