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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第8章 あやか
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遅れて参加した浜谷さんは、ほんの五分ほど席にいただけで、結局はお開きになったのだけど。
「あやかも誘ってくれってさ」
浜谷さんの誘いで、何人かで飲み直そうという話が出たらしい。マネージャーとして付き添っていた加賀見さんから、その話を聞かされた。
「わたしが高校生だって、しらないんじゃないですか?」
わたしは怪訝そうに聞いた。当然だけどお酒は飲めないし、時間もそれなりに遅かった。しかも二次会の場所は、浜谷さんの泊まっているホテルだという。
「まさか。きっと一緒にロケをした仲間で、純粋に話がしたいんだろう。ほら、あれだけのスターだと周りが自然と特別扱いをするから、現場でもかえって孤独になるんだ」
確かにリハーサルや本番以外の時間は、専用の車にいるか、監督さんや偉そうな人たちに囲まれていることが多かった。
「加賀見さんも、一緒に?」
「ハハハ! そこは遠慮させてくれ。若い俳優たちだけでと、そういうお誘いだから」
「でも……」
「浜谷さんの印象、悪かったかい?」
わたしは、現場で励ましてくれたその笑顔を思い浮かべる。
「いえ、とても優しかったです」
「じゃあ、行ってきなさい。あんなスターが声をかけてくれるなんて、光栄なことだよ」
結局、わたしはその誘いを受けることに。適当な時間になったら、加賀見さんに電話をして迎えにきてもらうことになった。
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