この作品は18歳未満閲覧禁止です
![](/image/skin/separater2.gif)
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第8章 あやか
![](/image/mobi/1px_nocolor.gif)
◇ ◇
タクシーで数分走って到着したのは、わたしが泊るのとは段違いの高級リゾートホテルだった。その荘厳な構えに気後れしながら、広いロビーを歩く。
「……?」
加賀見さんは「もう先に何人か行っているだろう」と言っていた。ロケや打ち上げで打ち解けた顔を探すけど、そもそもロビーには人が疎らだった。
先にホテルのバーとかに行ってしまったのかもしれない。わたしはエレベーターの傍にある、管内案内を眺めた。すると――
「よく、きたね」
「――!?」
突然、肩に腕を回され、飛び上がりそうになった。
「しっ! マネージャーに見つかると、うるさいからね。さ、早く」
と、調度扉が開いたエレベーターの中に、押し込まれるように乗せられた。
「は、浜谷さん!」
エレベーターの中で、ようやくその顔を確認した。浜谷さんは黒い地味なパーカーを羽織りフードを深く被っている。
「やあ、こんばんは。驚かせちゃったかな」
「他の人たちは……?」
「他の? ああ、後からくるって」
ささやきかけられるように、言われた。
しかし連れていかれた広いスイートルームには、わたしの他には誰一人訪れる気配はなかった。
![](/image/skin/separater2.gif)
![](/image/skin/separater2.gif)