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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第8章 あやか
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「さーて、困ったぞぉ」
「困った……?」
「そりゃ、そうだ。はっきりいって、これはお手上げさ」
言葉通り、加賀見さんはおどけたように両手を上げた。
「わたし、どうなるんですか?」
「うーん……まず、表立って仕事はできなくなるだろう。なにせ、相手は超が何個もつく大手事務所『D‘s』だ。間違いなく、こちらにも圧力がかかる。全力で浜谷のイメージを守ろうとするはず。そうしてダメージを最小限にする狙いだ」
「どういうことですか? わたしは仕事ができなくなって――じゃあ、むこうは?」
「なに食わぬ顔で、テレビに出続けるだろうな。他の仕事にも、たいした影響はあるまい」
「な、なんで……?」
「それが、テレビ業界を支えてきたと自負する事務所の力。おそらく――否、百パーセント。この記事はテレビのワイドショーでは扱われない。圧力がかかり、局の側も従うしかないはずだ」
「だけど、記事の載った雑誌は発売されるんですよね? そうすれば、きっとネットとかで話題に――」
「そんなこと、今までにもいくらでもあったよ。あやかにだって、いくつか覚えくらいあるだろう? たとえば、あるタレントAの不倫スキャンダルは連日執拗に報道されたのに対し、同じく雑誌でスクープされたタレントBの不倫についてはテレビのワイドショーでは一斉にスルーした、なんてことがさ」
「!」
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