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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第8章 あやか
こんなことが、現実に行われているのだろうか?
思わず目を疑うが、直後になんだか可笑しくなった。自分の身に起こってきたことを踏まえれば、どんな酷い現実でもそうなのだろうと思うことができた。
「もちろん。ここに女の子を出品するのは、ウチのような弱小プロダクション。売れないモデルや底辺のグラビアアイドル、地下アイドルやAV女優が日々、オークションにかけられている」
加賀見さんは、タバコに火を点け。
「そしてそれに群がる顧客は、下衆ではあるけれど信用のある金持ちばかり。会員には厳格な審査があるから、ここで行われたことが表にでることはない。闇サイトの顧客であることが、同時に弱みにもなり得るわけだからな」
「……」
「この闇オークションでは、弘前あやかはとびきりの上物になる。あのスキャンダル以来、このサイトに堕ちるのを、今か今かと手ぐすねを引いて待っている顧客だっていないとは言い切れない。顔や名前を隠しても、気づく者は気づくだろうから。上手くやれば、一晩で数百万の値が付くことだって可能だろうな」
「……」
「ハハハ、そんな浮かない顔するなよ。あやかにとって、悪い話ではない。ここで目標額を稼ぎ出せば、AV出演だってしなくてもよくなるかもしれない。手っ取り早く稼げる方法を提供してやったんだから、もっと乗り気になってもらいたいものだな」