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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第9章 僕
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そうすることが、あってるのかなんてわからない。でも、僕は彼女を岬として、抱こうとしている。
「た、均くん――待って!」
「僕のことが嫌いなら、待つ! でも、そうでないなら――」
ベッドの上に押し倒し、身に着けたジャージを強引にはぎ取る。
「いやあっ!」
「嫌なら、嫌いって言えばいい!」
「そうじゃない――そうじゃないよっ!」
岬ちゃんは、首を何度も左右に振る。
「だったら、好きって言えよ! 助けてって言えよ!」
下着に手をかけた時。
パン!
彼女の右手が、僕の頬を打った。
「岬ちゃん……?」
「あやかです」
「え?」
「岬に逃げることはしません。だから、もし……あやかとして、わたしを大事に思ってくれるのなら」
はっとした僕は、呆然と見つめる。
涙をぼろぼろとこぼしながら、彼女は言った。
「わたしも、好きだから……均くんのことが、大好きだから……こんなことは、やめて……お願いです」
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