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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第9章 僕
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この後に話す内容には、嘘が多く含まれることになるから、その躊躇だったのだろう。事前に予定していた誘導尋問だった。
『――すっかり生活に困ってしまい。以前、【H】さんから優しくしていただいたことを思い出したんです。その……厚かましくて、すみませんが』
『ハハハ! なんだ、そういうことかぁ。いいよ別に。僕だって少なからず責任を感じるし、力になってあげる。だけど、わかってるよね?』
『え?』
『お小遣いをあげる分は、ちゃんと楽しませてもらわないと――ね?』
『はい……承知してます』
女の声が、震えたように聴こえる。
『……それで、お願いがあるんですが』
『なにかな?』
『あの時【H】さんが、なにかお薬のようなものを使っていて……』
『お薬って、どんな?』
『よくは憶えていませんが、はじめに飲んだので意識がとろんとして、その後は……体の胸や大事なところに……直接、塗られたような記憶があります』
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