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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第1章 山本均
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数分後。僕は手に〝あるもの〟を持たされたまま、もう一度、目の前の状況とここに至るまでの経緯を整理しようと試みていた。そうしないと、悪い夢を見てるみたいだから……。
現在の時刻は、午前六時を少し回ったところ。大半を占める普通の人たちは、まだ寝ているか、起きだして学校や会社に行く準備を始めるころ。朝が早くて健康的な人なら、ウォーキングなどで、ひと汗流していたりするのだろう。
そのような時刻に深夜のバイト明けの僕は、女の子の部屋にきている。数日前に初めて話した、コンビニの常連客の岬ちゃんだ。普段は〝ドテモン〟なんて呼ばれるほど個性的な装いであるけど、その素顔はとても素敵な女の子なのだ。
メッセージのやり取りをしたり、それだけで僕の心はウキウキ。これから少しずつ仲良くなっていけたらなって、そんな風に思っていた。
僕は受験に失敗して先ことには悩んでいたし、岬ちゃんもなにか理由があって部屋に引きこもりをしているという。そんな二人が互いに心を通わせて、励まし合える関係になれたらって思っていた。
すなわち、いずれは恋人関係を望んではいたけど、先輩の悪戯のメッセージから生じた誤解で、いきなりこんな状況を迎えてしまうなんて……。
僕はベッドの上の岬ちゃんを、備にみつめた。
ジャージを脱ぎ捨てた彼女は、とても悩ましい格好をしている。上はグレーのタンクトップで、下は淡いピンクのボックスショーツ(かな?)。太ももの辺りまでしっかり覆う、短パンっぽいものだけど(これだって下着なのだ)。
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