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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第1章  山本均 


 はあ、はあ……。

 岬ちゃんの息づかいが激しくなるにつれ、ふたつの胸のふくらみも大きく揺れる。

 その程よい高さの山を登るように、じっくりとした動きでバイブレーションの丸みを這わせ、その頂点付近で円を描くようにしてグルグルと動かした。

「あっ、ああ……!」

 堪らずに、岬ちゃんが大きく胸を反らす。すると、タンクトップが密着した胸元では布地を隆起させて胸の先端がくっきりと尖っているのが、よくわかった。

 岬ちゃんの……ち、乳首!

 その存在を視認し一気に興奮が増した。なのに表層では何事もなかったように振舞い、僕は更に意地悪な言葉を連ねようとする。

「なんで、ブラしてないわけ?」

「え?」

「ほら、自分の目でみてごらん。胸の先が、どうなっているのか――」

 そう促すと、岬ちゃんは自らその状態を確かめ、真っ赤な顔を両手で覆った。

「いやぁ……」

 そんな仕草がまた、僕の未知なる欲望に火を灯す。

「岬ちゃんの、とっても、いやらしい乳首。そろそろ、直接に刺激してあげようか?」

「……」

「黙ってないで、言うんだ。ピンと立った乳首を、このバイブレーションでいじめてほしいんだろ?」

「……」

「あっそ……じゃあ、これでおしまい、と」

 僕はそう言って、マッサージ器のスイッチを切って、岬ちゃんに背を向けた。

 そうしたまま、十秒くらい待った時――。

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