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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第1章 山本均

「はああっ、あぁぁあああ――っ!」
今までにない音量の声を上げ、岬ちゃんは下腹部の辺りから、ビクンビクンとその身を何度も波打たせた。
あれ? もしかして、今って……?
経験の浅い(ほぼ皆無の)僕が、その反応を正しく認識できるはずもない。だけど、たぶん一定の満足を得て、岬ちゃんは僅かにその全身を脱力させたように思えた。
じゃあ、もう――いや、まだだ。
僕としても、自分ではない自分でいることに、居心地の悪さを感じないわけじゃない。けれども、それ以上に岬ちゃんを責め続けたいという気持ちの方が勝っていた。
深い息づかいで全身を揺らしながら、岬ちゃんは両手を太ももに挟み込むようにしている。そんな姿を見れば、否応なく興奮が高まってしまうのも当然だ。
「岬ちゃん、こっちを向いて。気持ちよくなった後の顔を、僕に見せるんだ。そしたら、もっともっと、気持ちよくしてあげる」
「で、でも……」
「今の顔を見られるのが、恥ずかしい? だけどキミは、恥ずかしいことをたくさんしてほしい女の子だろ。その方が気持ちよくなること、ちゃんとわかっているはずだ」
「そんな、わたしは……均くんが、エッチなことをしたいと思って……だから、それに応えようと」
「どうして、僕だったの?」
声を変えながらも平静をよそおいながらも、そう聞いたのだけは本心からだった。
岬ちゃんは寝返りを打ち、僕に真っ直ぐな眼差しを向ける。
「わたしには、もう……均くんしかいません」
そう言われた時、全身に熱いものがたぎった。

