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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第1章 山本均

すると岬ちゃんは、すっかり上気した顔で僕を仰ぎ、懇願するように言う。
「さっきも言ったように、できないことがあります……」
「ああ、わかってるさ。セックスは、できないんだね」
こくりと黙って頷いた。
その理由も気になるけど、今は問い返すのをやめる。簡単に聞き出せそうもなかったし、そもそも僕自身が彼女の意思に反し強引にするような真似はしたくないし、できない。
表面上はともかく、今のところ中身は大差ない。
「それならエッチなことを、もう少しだけ続けさせてもらうよ。もっと、岬ちゃんを感じさせてあげたいから」
「優しく……して、ください」
瞳を潤ませてそう呟く岬ちゃんの頬に触れて、僕はまた普段とは違う笑みを浮かべる。
「じゃあ、ベッドの上で身体を起こして壁にもたれかかって」
「はい……」
岬ちゃんは僕が言うまま、それに従う。白い壁に背を預けると、身を縮めるようにして、こちらを上目遣いに仰いだ。
僕はゆっくりとベッドの上に膝で乗り、岬ちゃんの顔の脇に左手をつくと、そのまま近づき耳元でささやきかけた。
「もっと、胸を張って」
「ん……?」
壁に後頭部をつけ、猫背だった背をぐっと反らしてゆく。タンクトップの胸元が張られ、Bカップくらいの柔らかそうなふくらみの形が、途端に露わになった。そして、十分な快感を示した、その頂点も。
「あ……」
それを注視した僕に気づき、岬ちゃんが短く声を漏らす。
「どうしたの?」
「いえ……」

