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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第2章 〝岬〟
「ん!」
ぴくっと身体をすくめたのを、あざ笑うかのようだった。次に手はシャツの中を上へ滑った。一瞬の緊張を緩ませた途端、わたしは新たな感触に襲われる。
「ああっ……」
わき腹を滑るようにした彼の手が直後、胸のふくらみに届いた。決して大きくはないそれを、下からじわりとせり上げてくる。
「岬ちゃんの胸、とても柔らかいんだね」
そんな言葉が、嬉しくもあって、その倍くらい恥ずかしくもあった。
「もっと、触ってもいい?」
「あ……!」
「思いっ切り、揉んでみたい」
その言葉にさっきまでにない真剣さを感じ、わたしは胸の中からかっと熱くなった。
「お願い……触って、もっと」
耳元に、均くんの吐息がかかった。もう片方の手もシャツの中に入ってくる。ブラをしてない無防備な胸は、彼の両手に掴まれていた。
左右から、よせ上げるように。そして、内から外へ円を描くように、ふたつのふくらみが、繰り返し揉みしだかれていた。
わたしは堪らずに、シャツの上から胸を守るように、両手を組む。「もっと、触って」といった言葉とは裏腹だけど、一度に全ての感触を受け取るのが怖く思えた。
意識を飛ばして乱れゆくであろう、自分の姿を既に予感してる。だから、その些細な抵抗は、なんら意味を持たない。
シャツの中にある彼の手が、わたしの手を押しのけて、執拗に胸を弄ってくる。くすぐったさと、少しの痛さの伴う彼の強引な愛撫が、徐々にわたしの内側に快感を伝えはじめた。
「た、均くん……」
わたしは切ない声で名を呼ぶと、胸を守っていた両手から力を抜く。