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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第2章  〝岬〟 


「うーん……」

 均くんが、感嘆としたような声を漏らす。

 言われるままバカみたいにバンザイをするとシャツを脱がされ、丸出しになった胸を腕で隠すこともしてない。

 なにも身に着けていない上半身。小ぶりな胸のふくらみ。つんつんとして尖った乳首。

 わたしは今、裸を均くんに見られてしまっている。閉ざされた視界の中で心の準備もないまま、その状況を把握した。

「あ、あ……いやっ」

 慌てて隠そうとするより先に、ぐっと両手の手首を掴まれてしまう。

「もっと、よく見せるんだ」

「は、恥ずかしい……」

「僕に見られるのが、嫌?」

 小さくゆっくりと、首を左右に振った。

「じゃあ、力を抜いて……そのまま、隠さないで」

 均くんが背後から立ってベッドを下りたのが、気配としてわかった。おそらく、彼はわたしの前に立ち、この裸を備に眺めている。

 身体が小刻みに震えたのは、寒かったからではない。恥ずかしくて堪らないのに、興奮している自分に気づいたから。

 小さなふくらみにも尖った先端にも、ぴりぴりとした緊張が伝達する。

 それが均くんの目に、どう映り、どう感じているのか。それが気になって仕方なく、焦れたように次の言葉を待った。

 だけど、リアクションは言葉ではなく。きしっとベッドを揺らした後、彼が与える感触に、わたしは驚くのだ。

 既に感度を主張しきったような、両胸の乳首。それに、指とは異なる生温かくて柔らかな、ぬるっとしたものが届く。

「た……たもつ、くん?」

 ちゅっ、ちゅぱ、れろれろ、と。それは紛れもなく、彼の濡れた舌の感触。

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